ねぇ、隼人…


隼人は粉雪みたいに、知らない間にあたしの中に入り込んでたね。


そして、溶けて無くなる様に死んでしまった。



後には何も残らない。


誰も“小林隼人”のことなんか知らない。



でもね、あたしの中で、“雪が降った”って事実は消えないんだ。


確かに隼人は、あたしと一緒に過ごしてたんだよ。




人生の中の3年は、本当に短いもの。


だけどあたしには、“過ぎた過去”なんかには出来ないよ。




あたし達はお互いに愛し、そして愛された。


こんなことになるなら、忘れる方法くらい教えといてよ。



でも、そんな方法があっても、隼人は絶対に教えてくれなかっただろうね。




“俺のこと、忘れて欲しくない”


“ちーちゃんは、俺の言うこと聞いといて?”


そんな風に言うんだろうね。




犯罪者でも、殺人犯でも良いよ。


誰からも祝福なんてされなくて良い。


幸せな家庭も、可愛い赤ちゃんも要らない。




ただ隼人と、何もない街でも一生変わることなく愛し合いたかった―――…










END


粉雪-sleeping beauty-に続く。
(続編です。
こちらも完結しました。)