ドキドキドキドキ……胸が異常な早さで振動する。
自然と呼吸までもが速くなりそうな身体で、それでもなんとか口を開く。
勇気……勇気を出さなくちゃ―――……っ
「城田っ……あの、あたしっ……」
「莉奈っ……ちょっ……ストップっ! なに……どうしたんだよ、急に」
「あたしっ……城田に言わなくちゃいけない事があって……っ」
「……え、あ、……えーっと……」
「……城、田?」
なんだか困ってる様子の城田を、見上げると、城田に両方の肩を持たれて……そのまま離された。
そして、困り顔で微笑む城田に見下ろされる。
「今日はさ、もう遅いし……また今度にしよう。な」
「え……」
「つーかさ、俺、ちょっと来週忙しいんだわ。だからー……また一緒に帰れるようになったら迎えにいくかさ、それまで莉奈、俺を待ったりしなくていいから。先帰って」
「忙しいって、なんで?」
「あ、ーっと……クラスの奴に頼まれ事とかされてるし! それに委員会とか……色々と?」
「城田、委員会入ってないのに? クラスの友達からの頼まれ事って、何?」
「それは……その、……」



