恋のコトバ【短編×Ⅱ】




ドキドキドキドキ……胸が異常な早さで振動する。

自然と呼吸までもが速くなりそうな身体で、それでもなんとか口を開く。


勇気……勇気を出さなくちゃ―――……っ


「城田っ……あの、あたしっ……」

「莉奈っ……ちょっ……ストップっ! なに……どうしたんだよ、急に」

「あたしっ……城田に言わなくちゃいけない事があって……っ」

「……え、あ、……えーっと……」

「……城、田?」


なんだか困ってる様子の城田を、見上げると、城田に両方の肩を持たれて……そのまま離された。

そして、困り顔で微笑む城田に見下ろされる。


「今日はさ、もう遅いし……また今度にしよう。な」

「え……」

「つーかさ、俺、ちょっと来週忙しいんだわ。だからー……また一緒に帰れるようになったら迎えにいくかさ、それまで莉奈、俺を待ったりしなくていいから。先帰って」

「忙しいって、なんで?」

「あ、ーっと……クラスの奴に頼まれ事とかされてるし! それに委員会とか……色々と?」

「城田、委員会入ってないのに? クラスの友達からの頼まれ事って、何?」

「それは……その、……」