そんな城田を本当は独り占めしたいって思ってるのに……
気持ちに気付いた時からずっとそう思ってきたのに……立ちすくんでいるだけの自分が、嫌になる。
いい加減……恋人未満のこの関係が、じれったくて仕方ない。
それでも、出せない勇気は……
きっと、城田への想いが原因だ。
好きだから……
だから、恐い。
もしも、もうあたしを好きじゃなかったら……?
そんな不安が、あたしを臆病にさせてる。
城田と過ごす時間の楽しさを知ってるからこそ……恐いんだ。
※※※
「莉奈? なんかあった? 落ち込んでねー?」
「……」
「なんだよ、元気出せって! あ、分かった。アレだろ。生理……いてっ」
「違うもんっ!」
「じゃーなんだよ。あ、俺不足? ギューしてやろっか」
「……っ」
顔を赤くして黙り込んだあたしを、城田が覗きこむ。
「莉奈ー?」
「……っ」
学校からの帰り道。
寄り道してたせいで、もう周りは暗かった。
あたし達以外誰もいない道を、街灯が白く照らす。



