恋のコトバ【短編×Ⅱ】




……――――でも。

もしも嫌気が差したら、その時考えればいい。

許せなくなったら、その時考えればいい。


あたしは哲の隣が好きで。

そこじゃなきゃ落ち着かないんだから。


こんなどうしょうもない男が、好きで好きで欲しくて欲しくて仕方ないんだから。

離れても気持ちを取り戻してくれるって言うなら

何度でも愛を誓いなおしてくれるって言うなら


あたしは、何回でも哲に呆れて怒ればいいだけ。

必死に謝る姿に、愛情を覚えればいいだけ。


「はー……ダメだ。まだ全然志乃が足りない。半年分、これから取り戻しに行く……?」

「……」

「今日、ホワイトデーだし。まさかの展開だったからプレゼントとかないから……俺まるごとって事で」

「……」

「志乃、ダメ?」



キノコに負けちゃうような王子を、ピーチ姫だって長い間待ち続けるんだから。

長い長い間、想い焦がれて待ち続けるんだから――――……


「……あたしだって足りないし」

「じゃあっ……」

「取り戻しに行ってもいいけど……今ここで誓って」

「うん。誓う。……で、何を?」


軽く頷く哲の胸ぐらを、あたしはぐいっと引っ張って顔を近づける。

そして軽く睨むように見上げてから――――……