「だって、お試し期間っていつ終わるの?!
城田、あれから何も言ってこないし、どうしたらいいのか分からないんだもん!」
そうなんだ。
告白の返事に、好きになれるかなんて分からないって答えたあたしに、それを提案したのは城田だった。
『じゃー、俺を試してよ』って。
一緒に帰ったりデートしたり……繰り返すうちに、あたしは自然と城田に惹かれて……好きになった。
それは、もう結構前の事。
お試し期間を2ヶ月くらい過ごした頃の事。
だけど……それをどう伝えたらいいのか分からなくて。
そのうち、城田が返事を聞いてくれるかな? なんて思って待つ事、10ヶ月。
友達以上、恋人未満の距離にすっかり慣れた城田に、何て言葉で伝えたらいいのか、分からない。
どうやって恋人になればいいのか……分からないんだもん。
「莉奈が言えばいいじゃん。好きだって」
「っ……」
「言えばいいだけの話じゃん」
「だって……言えないよ。城田、いっつもニコニコしてて、そんな雰囲気になんないんだもん。
デートして帰りが遅くなっても、全然恋人みたいな素振り見せないし、そういう事してこないし……」
「あー……確かにね。城田、莉奈に抱きついたりするのも、いつも冗談半分みたいな感じだもんね。
ふざけてんのか、本気なのかよく分からないよね」
「うん……。それに、2人きりの時って抱きついたりもしてこないし……」



