「はい。守ります。……一生かけて」
そう言いながらあたしの手の甲にキスをする哲。
そんなキザ行為に呆れながらも、不思議と笑みが零れた。
もしも哲の言う通り一生一緒にいたら、哲は一体何度あたしを裏切るんだろ。
バカみたいな理由で、傷つけるんだろう。
あたしを取り戻すために必死に謝るんだろう。
何度、真っ直ぐに好きだって伝えてくるんだろう――――……
「一生とか、絶対無理なくせに軽く言わないでよ」
「軽く言ってないよ。だって俺、本当に志乃しか考えられないんだって今回の事ですげぇ思い知ったから。
もう、絶対間違えない」
「とか言ってても、3ヶ月も一緒にいれば、また哲は誘われるままに合コン行くんだよ。
哲はそういう男だもん」
「……だとしても、本当に好きなのは志乃だけだし」
「だとしても、って何? 本当にそうだとしても一応否定してよ」
哲は小さく苦笑いを浮かべて……そしてそれを微笑みに変えてから、あたしを見つめた。
「もし、俺が本当にそんな事ばっか繰り返して志乃がいい加減愛想尽かしても、俺、何度でも志乃を取り戻すために全力で闘うから」
「……闘うって誰と?」
「亀みたいな珍獣と。甲羅にとげとげがいっぱいついてて、口からは火を吐く……」
「……それ、ゲームの話でしょ? ……なんかはぐらかそうとしてるとしか思えないし」
「はぐらかしてなんかないよ」
哲から顔を背けようとしたあたしを、哲が止める。
両肩に手を添えられて、あたしは哲を見上げた。
哲の後ろに、ぼんやりと光る街灯の灯りが見える――――……



