恋のコトバ【短編×Ⅱ】



小さく笑みを零しながら、哲はあたしを見る。

だけど、あたしが表情一つ変えずに見つめている事に気付くと、気まずそうにその先を話し始めた。


「別れてすぐは、結構遊びまわったりして……まぁ、それなりに楽しかった。

けど……すぐになんか足りなくなった。

志乃がいないってだけで……俺ん中がどっか埋まんなくて……

それは、遊びまわっても埋まんなくて。

志乃1人がいなくなっただけなのに……何人の女と遊んでも、足りなくてさ。全然……自分でもびっくりするくらい足りなくてさ」

「……」

「すぐ、後悔した。

けど……けどさー、言えないだろ?

俺、今まで何度志乃を裏切って傷つけてきたか知ってるし。

一番よく知ってるから……より戻してくれ、なんて、さすがに言えなかったんだよ。

……でも、少しでも志乃のいる場所にいたくて、サッカー部の練習出たりして……」

「……で、片思い?」

「……そう。志乃さー、いっつも教室からサッカー部の練習見てたじゃん?

なんで見てるか分かんなかったけど、俺志乃の目に映りたかったから、すっげぇ笑ったりして……

……なんか俺の努力超涙ぐましい」


ちょっとふざけて言う哲に、あたしはぷいっと顔を背けて怒ってる事をアピールする。

……ううん。

怒ってた、だ。

怒ってた。

もうすっごく怒ってた。


あんな振り方した哲に、すっごくブチ切れそうなほど怒ってた。

だけど……


だけど、そこまで怒るのは……それは――――……