小さく笑みを零しながら、哲はあたしを見る。
だけど、あたしが表情一つ変えずに見つめている事に気付くと、気まずそうにその先を話し始めた。
「別れてすぐは、結構遊びまわったりして……まぁ、それなりに楽しかった。
けど……すぐになんか足りなくなった。
志乃がいないってだけで……俺ん中がどっか埋まんなくて……
それは、遊びまわっても埋まんなくて。
志乃1人がいなくなっただけなのに……何人の女と遊んでも、足りなくてさ。全然……自分でもびっくりするくらい足りなくてさ」
「……」
「すぐ、後悔した。
けど……けどさー、言えないだろ?
俺、今まで何度志乃を裏切って傷つけてきたか知ってるし。
一番よく知ってるから……より戻してくれ、なんて、さすがに言えなかったんだよ。
……でも、少しでも志乃のいる場所にいたくて、サッカー部の練習出たりして……」
「……で、片思い?」
「……そう。志乃さー、いっつも教室からサッカー部の練習見てたじゃん?
なんで見てるか分かんなかったけど、俺志乃の目に映りたかったから、すっげぇ笑ったりして……
……なんか俺の努力超涙ぐましい」
ちょっとふざけて言う哲に、あたしはぷいっと顔を背けて怒ってる事をアピールする。
……ううん。
怒ってた、だ。
怒ってた。
もうすっごく怒ってた。
あんな振り方した哲に、すっごくブチ切れそうなほど怒ってた。
だけど……
だけど、そこまで怒るのは……それは――――……



