恋のコトバ【短編×Ⅱ】




「変わんないなー、志乃。……そういう強めの口調、ずっと聞きたかった。

志乃ってさー、外見通りっていうか、気強いしサバサバしてんじゃん?」

「……それ、今言う事? あたしはさっきの……」

「なのに、すっげぇ一途でさ。……いつも最後には俺の事許して受け入れてくれたよな」

「……」

「……それが、すげぇつらかった」


哲はそれだけ言うとあたしから視線を外して……そのまま窓の外へと移す。

片づけを終えたサッカー部が、ポツポツと帰宅を始めているところだった。


校庭に設置されている街灯だけが照らす教室。

遠い街灯に照らされた哲の横顔は、哀愁を帯びているように感じた。


「俺さー……バカだから、志乃を傷つけるような事何度も繰り返して……その度に、俺には志乃が必要だって思うくせに、何度も何度も……

それなのに、謝ると志乃は怒りながらも許してくれてさ……

志乃が大事で仕方ないのに、傷つけたくなんかないって思うのに……目先の誘いとか断れなくて……

別にいっか、とかいい加減に考えて……結局、謝る事しかできなくて……」


哲の瞳が、校庭の街灯でキラキラ輝く。

やけに大人っぽく見える哲に、あたしの知らなかった本音を話してくれている哲に、胸が跳ねる。


「別れようって言った時もさー……遊び友達に、この歳で決まった女とつるんでるなんて勿体ないって言われて……

もっと遊べよって言われて、それで……それもそっか、なんて……あー……俺本気でバカだなー。

話してるだけで嫌んなるし」