「俺、片思い中なんだよね。……隣で寝てる子に」
「え、先輩が片思いですか?」
「そー。……かれこれ半年くらい片思い。しかも超偲んでる感じ? 話してもいねーし」
「は?! なんすか、それ!!」
はは、と笑う哲。
……は?
……。
どう考えても理解不能な哲の台詞に、あたしはいても立ってもいられなくなって教室に入る。
その言葉の意味を考えるとかよりも先に、身体の方が勝手に動きだしてた。
久しぶりの間近な哲に緊張ー、だとかそんな気持ちはもうなかった。
ただ知りたいのは……さっきの哲の言葉の意味。
片思いって……何――――……?
「あ? ……あー!! 先輩っ!!」
あたしに気付いた後輩が大げさな声を上げて、哲に呼びかける。
その声に哲はゆっくりとあたしを振り向いて……あたしを瞳に映した途端、なんとも言えない顔をした。
やべ、って焦ってるような……はにかんでるような……
あたしはそんな哲にお構いなしにズカズカと教室を進んで、哲の前に立った。



