恋のコトバ【短編×Ⅱ】



「……どうすんの? コレ」


手に持ったまま、どうしていいか分からないジャージに戸惑って独り言を呟く。

あたしの声を静かに落とした暗い教室がいい加減少し怖くなって、鞄を持って教室を出た時……隣の教室から聞こえてくる話し声に気付いた。


ちょっと怖くなりながらも教室を覗くと……2人の男子の姿があって。

……その1人が哲だって気付いた途端、あたしの心臓はドキドキ鳴り始めた。


「先輩、また告られたらしいじゃないっすかー……超羨ましいんですけど」


どうやら1人の部員と話してるらしいけど……なんでこんなとこで?

あたしがこっそり見つめる先で、哲は少しだけ笑って……緩めた口を開く。


「情報が早ぇなー。告られたけど、でも断ったけどな」


久しぶりに聞く哲の声が、耳にいつまでも残る。

それだけで涙が浮かびそうになった自分に呆れながら、あたしは哲を見つめてた。


「ふーん。……ってか、先輩。隣の教室で寝てるのって誰っすか? 妹?」

「ん? んー……」


きわどい質問に、聞いてるあたしの方がなんだかドキドキする。

元カノ。

昔の女。

なんて答えるのか待っていると、哲がようやくその先を口にした。