「ほら、来ちゃったし」
「来ちゃったし、じゃねー!! 何莉奈を泣かしてんだよ!!」
「話してたら勝手に泣き出したんだって」
「嘘つくなよっ。莉奈は話してるだけで泣くような素直な奴じゃねーよ! 何言ったんだよ、高坂」
「……城田って、莉奈泣かした事ないの?」
「えっ……いや、それがさー……」
怒っていた表情を一転させて、急にニヤニヤし出した城田に、あたしは顔を歪める。
「バレンタインの日にさー、莉奈、俺が教室にいないから帰っちゃったと思ったとかで急に泣き出しちゃってさー……なんか、俺愛されてる? みたいな感じで……」
「違っ……あの時はそれで泣いたんじゃないもん!!」
「えっ!! そうなの?!」
「……」
赤くなってる莉奈の様子を見れば、莉奈が城田を想って泣いた事くらいはすぐに分かるんだけど。
城田はそんな事には気付かない様子で、驚いてショックを受けてた。
本当にバカがつくくらいに素直だし、城田。
この後、あの2人はどんなホワイトデーを過ごすんだろ。
2人して赤面して終わりそうだし。
なんだかのほほんとしたカップルに、自然と口許が緩む。
だけど、それと同時に胸がギュッと痛んだ。
今日も来てる哲に……胸が痛い。
っていうか、皆勤賞じゃない? あいつ。
本当意味分かんないし。



