『島谷莉奈さん。……好きです。俺と付き合って下さい』
言った後に少し照れたような仕草を見せた彼に、あたしは――――……
「で、莉奈もOK出したから付き合ってる訳でしょ?」
志乃ちゃんの質問に、あたしは小さく首を横に振った。
返って来る志乃ちゃんの反応が恐くてチラッと視線を向けると、志乃ちゃんはあたしの予想通り、すごい剣幕で身を乗り出す。
「はー?! おかしくない?! なんで?!」
あたしにギリギリまで近付いた志乃ちゃんに、あたしは小さく椅子を引いて後ずさりながらその理由を口にした。
「……お試し期間中、なの」
「お試し……って、は?! 1年もずっと?!」
「……うん」
「その間あんた達何もしてないの?! 手繋いだりとかキスしたりとか!!」
「……デートは、週に一回はしてる。手も……何度か繋いだりは……」
「キスは?!」
「……してない」
呆れて絶句した志乃ちゃんを、あたしは赤く染めた顔でじろっと見つめる。
だって……だって!!



