恋のコトバ【短編×Ⅱ】



※※※



「志乃ちゃん、遠藤先輩って今大学と部活の往復しかしてないらしいよ」


あれから数週間が過ぎて、季節はホワイトデー。

莉奈が突然そんな事を言い出した。

相変わらずの放課後の教室。

3月も3週目に入っただけあって、少しは寒さは和らいだかもしれない。


「なに、どういう意味? 家に帰ってないって事?」


笑いながら言うと、莉奈は首を振ってそれを訂正する。


「ううん。違う違う。遊んでないって事。家と大学と部活だけなんだって」

「誰に聞いたの? それ」

「城田。お姉ちゃんがいるんだけど、お姉ちゃんから城田が聞いて、それで……」

「ふぅん」

「確かにね、秋辺りはちょっと遊んだりしてたみたい。けど……それからぱったり遊ばなくなったんだって。

相変わらずモテてるらしいけど、それも全部断ってるって」

「ふぅん」


そっけない返事に、莉奈は少しだけ口を尖らせる。

そして、グランドに視線を落としたままのあたしに、珍しく噛み付いてきた。


「……ふぅん、って、志乃ちゃんまだ好きなくせに……なのに、そんな返事ばっか」


莉奈の言葉に、あたしは別に戸惑わなかった。

バレてる事は分かってたし。

莉奈が気を使って何も聞いてこない事も分かってた。


そんな莉奈に……あたしも、本音を返す。