哲は、付き合ってる間、何度か合コンに行った。
行くだけで、その後その女とどうこうなった訳じゃないから……浮気とは少し違う。
その度に、何故だか哲はバレてもいないのに、あたしに頭を下げたっけ。
『ごめん!! もう絶対行かないから!!』
『……っていうか、コレもう3度目だし。哲の絶対なんて信用できないし』
『今度こそは本当に……あ、その証拠に岸田の髪を』
『要らないし!!』
結局謝り通されて、あたしは許した。
それは……哲が好きだったから。
好きだったからこそ頭にもきたけど……素直に謝ってくる哲を信じたかったから。
ただ、一緒にいたかったから――――……
校庭に備え付けられている街灯が点灯し始めたのを見て、あたしは席を立った。
ただ、黙って哲を見てるなんて……
こんな偲ぶ恋なんて……どうかしてる。
「ああ、きっとダメ男が好きなのかもねー……」
なんだかんだで憎めないお兄ちゃん達を思い浮かべる。
なのに、その影はいつの間にか哲へと変わっていて……
あたしの大きな深いため息が静かな廊下に落ちていった。
その日の風はすごく冷たくて。
冷え切った身体を更に冷やしていく。
感覚のない身体はもう何も感じなかったけど……胸だけがやけに痛かった。
どっかのチャラ男のせいで。
……いや、違うか。どっかのチャラ男なんかを好きになったあたしのせいか。
「超バカだし……」
校門を出る時、グランドを振り返った。
白い息を吐きながら笑ってる哲を見て……頭に焼き付けた。



