恋のコトバ【短編×Ⅱ】



哲は、付き合ってる間、何度か合コンに行った。

行くだけで、その後その女とどうこうなった訳じゃないから……浮気とは少し違う。

その度に、何故だか哲はバレてもいないのに、あたしに頭を下げたっけ。


『ごめん!! もう絶対行かないから!!』

『……っていうか、コレもう3度目だし。哲の絶対なんて信用できないし』

『今度こそは本当に……あ、その証拠に岸田の髪を』

『要らないし!!』


結局謝り通されて、あたしは許した。

それは……哲が好きだったから。

好きだったからこそ頭にもきたけど……素直に謝ってくる哲を信じたかったから。


ただ、一緒にいたかったから――――……



校庭に備え付けられている街灯が点灯し始めたのを見て、あたしは席を立った。

ただ、黙って哲を見てるなんて……


こんな偲ぶ恋なんて……どうかしてる。



「ああ、きっとダメ男が好きなのかもねー……」


なんだかんだで憎めないお兄ちゃん達を思い浮かべる。

なのに、その影はいつの間にか哲へと変わっていて……


あたしの大きな深いため息が静かな廊下に落ちていった。




その日の風はすごく冷たくて。

冷え切った身体を更に冷やしていく。

感覚のない身体はもう何も感じなかったけど……胸だけがやけに痛かった。


どっかのチャラ男のせいで。

……いや、違うか。どっかのチャラ男なんかを好きになったあたしのせいか。


「超バカだし……」


校門を出る時、グランドを振り返った。

白い息を吐きながら笑ってる哲を見て……頭に焼き付けた。