そんな会話を交わしていると、急に静かだった廊下が騒がしくなって……
「莉奈ー……罰掃除やっと終わったー……
超疲れた……可愛くバカって言って?」
「……やだ」
「えー?! 妥協してバカでいいって言ったのにそれさえもダメ?!」
「じゃあね、志乃ちゃん」
「んー。気を付けてね。……城田に」
「高坂……それは一体どういう」
「送り狼になるなよ、って事。じゃあね」
「送り狼って何?」なんて聞く莉奈に、城田は顔を赤くしてうろたえる。
2人の声が遠くなってから……あたしはまた哲に視線を落とした。
あれから……哲に彼女が出来たとか、その類の噂は聞いていない。
遊びまくってるとか、そういうのも聞かない。
大体、キャンパスライフがどうの言ってたくせに、毎日高校に来てサッカー教えるってどうなの?
そんな汗くさいキャンパスライフが過ごしたかった訳?
……やっぱりアレは、あたしと別れたいがための嘘だったのかな。
チクリと痛む胸に、あたしは大きく息を吐く。



