恋のコトバ【短編×Ⅱ】



そんな会話を交わしていると、急に静かだった廊下が騒がしくなって……


「莉奈ー……罰掃除やっと終わったー……

超疲れた……可愛くバカって言って?」

「……やだ」

「えー?! 妥協してバカでいいって言ったのにそれさえもダメ?!」

「じゃあね、志乃ちゃん」

「んー。気を付けてね。……城田に」

「高坂……それは一体どういう」

「送り狼になるなよ、って事。じゃあね」


「送り狼って何?」なんて聞く莉奈に、城田は顔を赤くしてうろたえる。

2人の声が遠くなってから……あたしはまた哲に視線を落とした。



あれから……哲に彼女が出来たとか、その類の噂は聞いていない。

遊びまくってるとか、そういうのも聞かない。

大体、キャンパスライフがどうの言ってたくせに、毎日高校に来てサッカー教えるってどうなの?

そんな汗くさいキャンパスライフが過ごしたかった訳?


……やっぱりアレは、あたしと別れたいがための嘘だったのかな。


チクリと痛む胸に、あたしは大きく息を吐く。