恋のコトバ【短編×Ⅱ】



そこから友達が始まって。

哲に告白されたのは、その1ヶ月後。


『もう一度岸田の髪引っこ抜いてくるかなー……』


放課後一緒に帰ってる時に哲が言った言葉に、あたしは吹き出した。


『なにそれ。なんの罰ゲーム?』

『いや、罰ゲームじゃなくて……姫を手に入れる為の度胸試しっていうか賄賂(わいろ)っていうか……』

『意味分かんない。何、姫って。ピーチ姫? 哲ってゲーマー?』

『ピーチ姫っていうか志乃姫っていうか……』

『あたしを勝手にゲームの中に入れないでくれる? 言っておくけど岸田の髪抜いてきたってピーチ姫のコスプレとかやんないから』

『……おまえさー、どんだけ鈍いんだよ? あー、分かった。もうはっきり言うよ』


怪訝そうに歪めた顔のあたしを真っ直ぐに見て、哲は少し気まずそうに口を開いた。


『志乃が、好きなんだよ……』

『は……? なに? 冗談?』

『いや、マジで……だから付き合って欲し……』

『あたし、軽い男嫌いだって言ってるじゃん』

『志乃が付き合ってくれんなら、もう軽い男なんか卒業するから! だから、な?』

『軽い男って卒業できるものなの? それ、もう性癖じゃないの?』

『……そんなに俺が信用できない?』

『……悪いけど』