恋のコトバ【短編×Ⅱ】



素直に、可愛らしく……好きだって伝えなくちゃ――――……


「城田……」

「ん? なに? 莉奈」

「……コレ、あげる」


……結局どこも可愛らしくなんかない渡し方になってしまって、あたしは静かに落胆する。

今なら少しは素直になれると思ったのに……

長年培ってきたこの性格は、今更どうこうできるってものでもないらしい。

だけど、そんな無愛想な渡し方にも関わらず城田はすごい笑顔を浮かべて……


「マジで?! え、俺に?! 俺にだよな?! ……やべー、すっげぇ嬉しいっ!!」


こっちが恥ずかしくなるくらいに喜んでくれた。

そして、小さな箱を掲げながら一頻り(ひとしきり)喜んだ後……あたしに視線を落とした。


「莉奈、ちゃん……」

「……なんでちゃん付けなの?」


いつもとは少し違う様子の城田に、あたしは少し笑って答える。

城田はちょっとだけ黙った後、あたしを真剣な目で捕らえた。

城田の背中から漏れる夕日の光が、城田をいつもとは違う雰囲気に映らせる。

やたらとそんな雰囲気が出ている教室内に、胸がトクンと跳ねたのが分かった。


「あのさ……キス、とかしたら怒る?」

「……っ」


なんとなく……なんとなく、雰囲気でそうなのかもとは思ってたけど……だけど!

どうしていいか分からないくらいの緊張に、あたしは唇を噛み締めて身体を縮こませた。

したくない訳じゃない。

むしろ……や、でも!!

そんな葛藤が頭の中で繰り広げられているあたしに、城田が近付く。


ドクン!! と大きく響いた心臓に……あたしは恐る恐る顔を上げた。