恋のコトバ【短編×Ⅱ】



「……っ、っていうか、城田、なんでみんながいるとこではくっついてきたりするくせに2人きりの時はそういう事してくれなかったの……?! 

あたし、アレからかわれてるようにしか思えなかった……」

「え……だって、そりゃさー……アレだろ」

「なに?」

「だから、俺は莉奈が好きな訳。それをさー、2人っきりの時に手なんか出しちゃったら……こう、自分が暴走しそうだったから。

学校とか、他の奴が見てればブレーキも利くけど……2人っきりの時はさー……

俺、自分がどんだけ莉奈が好きだか分かってるから、ブレーキが利かなくなるのも分かってたし」


苦笑いにも、照れ笑いにもとれる表情を向ける城田に、あたしは声が出なくて。

ううん。わざと言葉は言わなかった。

……憎まれ口が出てくる事が分かってたから。


「でさー……、両思いでいいの?」


ゆっくりと、なんとかコクンと頷いたあたしを見て、城田は……言葉を失ってた。

でも、ぽかんとした表情が、笑顔に一転する。


いつも見てた城田の満面の笑み。

ニコニコとした幸せそうな笑顔に……あたしも自然と笑みが浮かんだ――――……



「はい、莉奈」

「え……なんでまたチョコ?」

「もう一度勇気出すために買ったんだ。去年と同じチョコ。……去年上手くいったから同じやつならまた上手くいくかもしれない、なんて思ってさ」

「……」


へへっと笑う城田からチョコを受け取って……あたしは城田に隠すように持っている自分のチョコを握り締める。

勇気を出すって決めたんだから。

だから、ちゃんとしなくちゃ。