「……っ、っていうか、城田、なんでみんながいるとこではくっついてきたりするくせに2人きりの時はそういう事してくれなかったの……?!
あたし、アレからかわれてるようにしか思えなかった……」
「え……だって、そりゃさー……アレだろ」
「なに?」
「だから、俺は莉奈が好きな訳。それをさー、2人っきりの時に手なんか出しちゃったら……こう、自分が暴走しそうだったから。
学校とか、他の奴が見てればブレーキも利くけど……2人っきりの時はさー……
俺、自分がどんだけ莉奈が好きだか分かってるから、ブレーキが利かなくなるのも分かってたし」
苦笑いにも、照れ笑いにもとれる表情を向ける城田に、あたしは声が出なくて。
ううん。わざと言葉は言わなかった。
……憎まれ口が出てくる事が分かってたから。
「でさー……、両思いでいいの?」
ゆっくりと、なんとかコクンと頷いたあたしを見て、城田は……言葉を失ってた。
でも、ぽかんとした表情が、笑顔に一転する。
いつも見てた城田の満面の笑み。
ニコニコとした幸せそうな笑顔に……あたしも自然と笑みが浮かんだ――――……
「はい、莉奈」
「え……なんでまたチョコ?」
「もう一度勇気出すために買ったんだ。去年と同じチョコ。……去年上手くいったから同じやつならまた上手くいくかもしれない、なんて思ってさ」
「……」
へへっと笑う城田からチョコを受け取って……あたしは城田に隠すように持っている自分のチョコを握り締める。
勇気を出すって決めたんだから。
だから、ちゃんとしなくちゃ。



