『……今、俺の顔見ないで』
『え、だって自分であーんしてって言ったんじゃないっ』
『いいから! ……だって本当にしてくれるなんて思ってなかったから……やばいって。思った以上になんかくる』
『くる? 何が?』
『……胸キュン?』
『……バカじゃないの?』
照れ隠しで呆れた振りをしたあたしを、城田は振り向いて微笑んだ。
憎まれ口しか叩けないあたしなんかに、優しく、優しく……微笑みかけてくれた――――……
あたしは、何度城田の気持ちを無視した?
あたしは、何度城田を傷つけた?
あたしは、何度……城田を好きだと思った――――……?
もう、遅いの?
城田の中では、もう終わっちゃった……?
でも……
でも、あたしの中では……このままじゃ終われないよ。
まだ、終わらせない――――……っ
チョコの入った箱を握り締めて、あたしは城田のクラスに向かった。
だけど、教室に城田はいなくて……
もう帰っちゃったのかな、なんて考えが浮かんで。
胸がギュっと掴まれたみたいに苦しくなって、あたしは床に視線を落とす。
やっぱり、もう――――……



