いつもいつも、傷つけられたくない気持ちを、あたしに見せてくれてたのに――――……
あたしは何度冷たい言葉でそれを傷つけてきたんだろう。
城田なら大丈夫、なんて、なんでそんな事を思ったんだろう――――……
告白の後2人で食べたチョコ。
城田は、箱の中からチョコを取り出せなかった。
……手が、震えていて。
『やべ……緊張してたからまだ震えてるし。……あーんして?』
『……バカじゃないの?』
細かく震える手を押さえる城田の横顔は、まだ緊張してた。
笑顔を浮かべながらも、その震えは全然止まりそうもなくて……
『あー……止まんねー。くそー、せっかく莉奈と食べるチャンスなのにー……』
そう言って子供みたいに不貞腐れた城田に、あたしは照れながらチョコを差し出した。
『……莉奈?』
『……一個だけだからね。ほら、早くして』
恥ずかしくて、合わせられなかった目。
チョコが城田の口に無事届いて、しばらくしてから視線を城田に向けると……
そこには、あたし以上に頬を赤くした城田がいた。
片手で鼻から下全部を覆うように隠しながら、城田は照れてあたしから顔を背けた。



