恋のコトバ【短編×Ⅱ】



いつもいつも、傷つけられたくない気持ちを、あたしに見せてくれてたのに――――……

あたしは何度冷たい言葉でそれを傷つけてきたんだろう。

城田なら大丈夫、なんて、なんでそんな事を思ったんだろう――――……




告白の後2人で食べたチョコ。

城田は、箱の中からチョコを取り出せなかった。

……手が、震えていて。


『やべ……緊張してたからまだ震えてるし。……あーんして?』

『……バカじゃないの?』


細かく震える手を押さえる城田の横顔は、まだ緊張してた。

笑顔を浮かべながらも、その震えは全然止まりそうもなくて……


『あー……止まんねー。くそー、せっかく莉奈と食べるチャンスなのにー……』


そう言って子供みたいに不貞腐れた城田に、あたしは照れながらチョコを差し出した。


『……莉奈?』

『……一個だけだからね。ほら、早くして』


恥ずかしくて、合わせられなかった目。

チョコが城田の口に無事届いて、しばらくしてから視線を城田に向けると……

そこには、あたし以上に頬を赤くした城田がいた。


片手で鼻から下全部を覆うように隠しながら、城田は照れてあたしから顔を背けた。