恋のコトバ【短編×Ⅱ】



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そんな状況のまま、季節はバレンタインという大イベントを迎えた。

……去年、城田が告白してくれたバレンタイン。


浮かれ立つ放課後の教室で、あたしは手の中のチョコを見つめる。

とてもじゃないけど、手作りなんて無理で……それでも、専門店で悩みに悩んで買ったチョコ。

トリュフが、6つ入ってる小さな可愛い箱。


去年、城田がくれたのは、たくさんの種類のチョコが箱詰めされたものだった。


『ありがと……』


そう言ってチョコを受け取ったあたしを城田はじっと見つめていて。


『あのさ、それ、今一緒に食べない?』


そう言った。

なんで? って聞いたあたしに、城田は少し照れながら……


『俺、チョコ好きなんだよね。島谷さんと一緒に食べるチョコなら、絶対過去最大に上手いと思うから食べてみたい』


って、答えたっけ。

あまりにストレートな言葉に、あたしの顔は真っ赤だったと思う。