バルセロナよ…。

なぜこんなに近くて遠いんだ…。

僕は初めて登喜子に弱音を吐いた。

「僕は…もう…ダメだ。…登喜子。」

次には必ずバルセロナへ発とう。

もう君は十分に僕に付き合ってくれた。

僕の人生の固く重い鉛達は君のお陰で、今は綺麗に消え去った。

一緒に全てを見届けてくれてありがとう。

旅支度はもう十分に整っている。

君は強く、美しい。

きっとまたすぐ元気になる。