静香が大口を開けて笑っている。

「なんか…昨日はあんまり起きてなかったんだって?母さんが心配してたよ。」

「そうか…。」

僕には昨日の記憶がない…。

ずっと…バルセロナを目指していた。

それしか分からない。

静香が来てから…バルセロナは消えている…。

あぁ…乗り遅れたな…。

バルセロナは次はいつ現れるんだろう…。

登喜子…あと少しだ。

あと少しの辛抱だ。

バルセロナはきっとまた来るから…。