遥か遠くの空にバルセロナは浮いている。

眩しい光に包まれて。

いつの間にか隣にいる登喜子にお願いする。

「この足がいけないんだ。業者を呼んでくれ。」

「……足を…どうするの?」

「この足がいけないんだよ。…そういう業者がいたろ?」

「…うん…。今日は土曜日だから…業者はお休みなのよ。」

「……そうか…。じゃ、もう一度やってみよう。何か持つものをくれ。」

「……タオルでいい?…ねぇ…どこ行くの?」