「おふくろ……。すまない…。」

僕は…こう言った。

何に対してすまないと言っているのか…自分でもよく分からない。

けど、僕の心を表現した言葉は『すまない』だった。

もう…何もない…。

僕達は言い争うには遅すぎた。

だから…『すまない』だ。

また深い眠りに誘われる。

だんだん視界が暗くなっていった。

おふくろは夕方まで、うつらうつらする僕をただ見ていたそうだ。