貴子が照れ笑いする。

貴子にタヌキからのジュースを孫に飲ませるように言い、その間にまた僕はバルセロナの夢を見る。

意識が戻っても、目を開けるのが面倒でただ目を閉じていた。

その時、貴子が電話で話している声が聞こえた。

「…うん。……何か…もうろうとしてる…。たまにバルセロナとか言うの…。静香も…早く来てね…。」

電話の相手は静香。

そうか…あれは…夢ってより幻覚に近いのか…。

どうりでリアルなわけだ…。