日曜日なのに、昼過ぎからタヌキが来てくれた。

タヌキは会社の先輩だ。

僕が労働組合の会長をした時は、タヌキは戦友だった。

上品なスーツを着てタヌキは

「久しぶりだね。どうだい?」

と微笑んだ。

シルバーダンディーと言う言葉が良く似合う。

タヌキは僕が愛と尊敬の念を込めてつけた愛称だ。

あまり体調が良くない僕にゆっくりタヌキは話す。