☆
「…で、お前はこれからどこに向かおうとしているんだ?」
くるりと踵を返した裕一郎に、河村は尋ねると隣に並んだ。
「もう1回、駅に戻るよ」
「駅に…何で?」
「何でって、えっと…それは…」
聞かれて、裕一郎は言い淀む。
その様子に河村はピンときた。
「ははーん、さては《来てる》んだな」
顎の不精ひげを撫でながら、彼はニヤリと笑う。
「えっ!?」
「お前が切望して止(や)まないパートナー殿が」
「何で分かるんだよ…」
「バーカ、お前の指輪が外れてる時点でそう考えるのが自然だろうが」
「全然自然じゃないよ。大体、何で指輪と津久見さんが結びつく…あっ!!」
そこまで言って、裕一郎は気がついたのか足を止めた。
.
「…で、お前はこれからどこに向かおうとしているんだ?」
くるりと踵を返した裕一郎に、河村は尋ねると隣に並んだ。
「もう1回、駅に戻るよ」
「駅に…何で?」
「何でって、えっと…それは…」
聞かれて、裕一郎は言い淀む。
その様子に河村はピンときた。
「ははーん、さては《来てる》んだな」
顎の不精ひげを撫でながら、彼はニヤリと笑う。
「えっ!?」
「お前が切望して止(や)まないパートナー殿が」
「何で分かるんだよ…」
「バーカ、お前の指輪が外れてる時点でそう考えるのが自然だろうが」
「全然自然じゃないよ。大体、何で指輪と津久見さんが結びつく…あっ!!」
そこまで言って、裕一郎は気がついたのか足を止めた。
.


