Darkness † Marker 5 【彷徨う者】

        ☆


ない…ない…
どこにいったの…
私の…な……は…


抑揚のない声は何かを探していた。

何かを探して暗闇の中を彷徨っていた。

裕一郎は、どこか分からない場所からその声の主を見ている。

何をするでもなく、ただじっと声を聞いている。

どこ…に…
どこに…


声が近づいてきた。

裕一郎に気づいたのか、ヒタヒタと姿もないのに近づいてきた。


私の…は、どこ…
ねぇ、どこ…


暗闇から手が伸びてくる。

ひゅるりと伸びた指先が、立ち尽くす裕一郎を捕まえようとした。

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