「白羽壱流」



まさかのいきなりの呼び捨てに思わず眉をひそめる。


「何勝手に…」

「そうやって今まで来たわけ?」

「は?」


明らかに軽蔑の色を含む"高崎光"の目。


「そうだよ」


利央が口を苦々しげに開く。



「共演する女優さんたちに少し優しくすると俺たちのやり方でスムーズに撮影が進むから」

「自分が綺麗に映らないと中断、とか言うのがいるから。そこで少し誉めればコロッと変わるんだよ」


晴翔も、嫌な記憶を思い出したのか顔をしかめながら喋り始める。



さっきから黙りっぱなしの琉飛はというとため息をついていた。



「最低だよ…」


"高崎光"が俯きながらつぶやく。


「演技をバカにしてるの?」

「こっちは真剣にやってんだよ」

再び睨み返し、体ごと“高崎光”に向けた。