「別にそいつはどうでもいい」


噂ではかなりの演技力らしいけど所詮噂。


本物見ねぇと信じねぇから。



「うーわ、今の顔かなりイジワルな顔だったー…」


そう言いながらも利央もくすりと笑う。


「写真とか持ってないの?」

「は!?利央、"高崎光"のこと、知らねぇのっ!?」

「知ってるよ、テレビで見るもんっ!ただじっくり見たいの!晴のバーカ」

「俺の扱いひどくね?」



バックをあさり、共演者の資料を利央に渡した。



「ん、資料」

「ありがと!」



横を見ると、夢の世界に滞在中の琉飛。

…起きろよ。



利央の瞳が忙しなく動く。


「俺たちと同じ16歳なんだー」

「それで、もうすぐ公開の映画、賞総ナメしたんだろ!?」



無駄に興奮してる晴翔に苛立ち、クッションを思い切り投げてやった。