君を守りたい


ずっともやもや感を抱きながら、一日を過ごす。あっという間にむかえてしまった放課後、勝手にくっついてきた美香と2人で、部室に向かっていた。


「あぁー!陽路ちゃんだ〜。」


刹那、背後から聞こえた聞き慣れた声。
それと同時に、思いっきり後ろから抱きつかれて。少し振り向けば、色素が薄く金髪っぽい髪の毛が揺れていた。


「ほら、慈朗。重いって…」


あたしがそう言うと、彼、阿久津慈朗はゆっくりと体を離す。無邪気な笑みを浮かべながら、彼の目はあたしの横にいた美香をとらえた。


「っていうか、だぁれ〜?」

「秋田美香でぇす。今日は見学させてもらいまーす。」


不思議そうな慈朗に、美香はそう自己紹介していたけれど。たいした興味を示さなかった慈朗は「行くよ〜」と言って、あたしの手を引き走り出した。