同じ学校の…、いや、同じ部活の先輩・後輩…。きっとそれが、俺たちにとって一番ちょうどいい距離だったんじゃないだろうか。
もし俺が本当に陽路先輩に笑ってほしいのなら、彼女のためを思うなら。
俺自身のことよりも、陽路先輩のことを優先しよう。何もしてあげられない、傷つけてばかりの俺からの、せめてもの愛情。大好きな先輩に、せめてもの恩返し。
今度こそ大切な人と、うまくいきますように、と。
こんなこと本人に言えば、また自分の本心を隠してしまいそうだから、絶対に言わねーけど。
空を見上げると、茜色の空が広がっている。いつか陽路先輩と歩いた日も、こんな空色だった気がしないでもないな、なんて自嘲的な笑みを零すと、ポケットから携帯をとりだした。
もちろん、かける相手はあの人。

