君を守りたい


自分が思わず言い過ぎたことに気がついたんだろう。沢柳先輩の表情が一瞬曇る。それと同時に、俺の頭の中も真っ白になっていく。

“ある人物”っていうのは、間違いなく阿久津さんで。

“彼女が求めているのは俺たちではない”ってことは、俺も違くて。

“むやみに声をかけるなど、できるものではない”ってことは、俺は無意識の中で陽路先輩を傷つけてたのかもしれない。


「寿也、気にするな。蓮の気持ちが高ぶりすぎただけだ。」

「あぁ。ちょっと話を大げさにし過ぎた。すまない。」


もう、何を言われても耳を通り抜けるだけ。何も頭に入らない。

太陽に近づきすぎると自らの体を焼き焦がしてしまうように、俺も陽路先輩に近づきすぎた。そして、自ら体を焼いた。