でも、先輩たちは。
俺より先に気づいて、俺より先に陽路先輩の近くにいられた。
そばにいる…。
俺には、そんなことさえできなかったのに。
「…先輩たちは、陽路先輩のそばにいてあげること、できてたじゃないッスか。それだけでも何にもしてない俺より、数倍力になれるッス…。」
「寿也。」
沢柳先輩に名前を呼ばれ、下げかけていた視線を再び上げた。すると目に映るのは、やっぱりいたたまれない表情の二人。
「…何スか?」
「大崎先輩は一人、よく隠れて泣いていた。それも、俺たちに気づかれないようにだ。それ以外はいつも笑っていたのに…。コレでも力になれていたと、お前は言うのか?」

