「寿也、そんな情けない顔をするな。」
うつむいた俺に、沢柳先輩が言う。でも…
「でも…っ!俺っ、マジ情けないし、すっげー悔しいッス…」
「…寿也。情けないのは、悔しいのは、俺たちも同じだよ。」
拳を握りしめる俺に、村田部長の優しい声が届いた。でも、俺たちも同じだなんて、何が同じなのかさっぱりわからねー。
そんな俺の困惑が伝わったのか、村田部長は苦笑いを一つ零すと、過去を思い出すようにゆっくりと言葉を紡いだ。
「寿也も知ってる通り、そのときに大崎先輩がすべて話してくれた訳じゃない。『どうしようもない理由で凌葉に居られなくなった。だからみんなとも会えない。あたしがいるとみんなが傷つく。全部、あたしが悪い。』彼女が涙とともに言ったのは、自分の存在を否定する、たったコレだけだ。」

