加えて、彼女の性格。
他人に何度も頼まれたあげく、「NO.」と言えるわけがない。
渇いてきた喉を潤すため、ミルクティー色のコーヒーを一口口に含んだ。それを見届け、村田部長が続ける。
「結局、大崎先輩が高2のとき、正式にマネージャーになったんだよ。」
高2…。そのとき俺は、まだ中3。
同じ附属だけど、校舎も、取り巻く環境も、陽路先輩とは違うところにいた。
それにそのときの俺は、陽路先輩が抱えていた過去の断片すら、知る由もなかったんだ。
無意識のうちに視線を落とした俺に、沢柳先輩が続ける。
「でもやはり、海星のマネになった当初から、大崎先輩はたまに悲しげな表情を浮かべることがあったんだ。」

