「少々お節介かもしれないが、お前にも知っていてほしいことがある。……大崎先輩が、海星に来たとき、テニス部のマネになったときの話だ。」
「どうしてイヤな思い出があふれるテニス部のマネに、転校先の海星でわざわざ彼女がなったのか、お前は知らないだろう?」
あぁ、やっぱり。
やっぱり、陽路先輩の話だ。
でもそんな話、今更俺が知ってどーすんだよ?
「知らないッスけど…。別に今更知らなくたって…、」
「今更知らなくてもいいことを、俺たち二人がわざわざ呼び出したりすると思うか?」
俺の言葉を遮るように発せられた、沢柳先輩の言葉。静かながらも威圧感漂う声に、俺は口をつぐんだ。
………でも、確かに。
この二人がわざわざ無意味なことをするとは考えられない。

