君を守りたい


俺の家から桑井先輩の家までは、走って10分ぐらいの距離だ。そして目的の珈琲店は、桑井先輩の家のほぼ裏にある。

一見、普通の家。
ドアの上に小さな看板が掛けられているのが、この家がお店だという証。

走ったためにじわりと額に滲んだ汗を拭い、少しだけ乱れた呼吸を正す。
そして備え付けられたベルをチリンと鳴らしながらドアを開けると、外観の割に広い店内が目に映った。

その隅、周囲にあまり人がいない席に、目的の二人はいて。


「ちわっス。」

「やぁ、寿也。いきなり呼び出して悪かったね。とりあえず座りなよ。」


いつもの笑顔で口を開いた村田部長に促されるまま、俺は二人に向き合うようにして腰掛けた。