君を守りたい


「もう、誰もいなくなってほしくない。誰も失いたくない。あんな思いをするのは、もうたくさんだから。」


そのときの気持ちは、今も忘れずに覚えている。どこを探しても、名前を呼んでも、蒼の姿を見ることができなくなったあの日。もう会えないんだと、涙目のおばさんに告げられたとき…。

言葉の意味を理解するより先に、涙が零れた。大切な幼なじみが隣りにいなくなってしまったことに、どうしようもない“恐怖”を抱いた。

暗く沈んだそれからの小学校生活。そのまま明春中学校には進まず、凌帝学園中等部に外部受験を受けて入学した。

それで心機一転、蒼とのことも過去にして、中学生活は何事もなく終える予定だったのに、あたしは美香と出会ってしまったんだ。