「あ、お……?」
「そう、草かんむりに倉って書いて、“あお”。気づいたときにはもう、あたしと涼夜と蒼はいつも一緒にいてさ、毎日一緒に遊んだりして。三人でいるのが当たり前で、変わることなんてないと思ってた。」
…懐かしい光景が、脳裏に鮮やかに蘇る。
ホントに三人一緒が当たり前で、壊れることのない関係。みんな一人っ子だったから、あたしたちは本物の兄弟のように仲良しだった。
隣で雅樹は、あたしの話に黙って耳を傾けている。相づちさえ打たないところが、雅樹らしいと思った。だからあたしも、構わずに自分のペースで話し続ける。
「でもね、日常はあっというまに壊れるんだ。蒼がいなくなった瞬間に、昨日での“普通”は、今日では“異常”になった。」
“普通”が永遠に“普通”なワケじゃないんだよ。それをあたしは、身をもって知っている。

