「…それは、小学生の頃のトラウマからですか?」
ゆっくりと発せられた言葉に、あたしは耳を疑った。もらしすぎた本音に切り返されるのは予想通りなんだけど、何で小学生の頃のことを雅樹が知っている?
一人困惑するあたしに気がついたのか、雅樹は続けて口を開いた。
「大崎先輩が過呼吸おこしたときに、過去にもなったことがあるって藍前が言ってたんですよ。そのときに少し話を聞きました。」
「へぇ、そうだったの…。」
まったく…。涼夜のヤツめ。
「まさか藍前と大崎先輩が幼なじみだったなんて初耳でしたけど。」とか零す雅樹をしり目に、あたしは当時のことを思い返す。
突然いなくなってしまった、もう一人の幼なじみのことを。

