君を守りたい


うつむいたあたしと、眉間にシワをよせた雅樹の間に少しの沈黙が流れる。車が走行する音が、やけに大きく感じた。

気まずい雰囲気の中、先に沈黙を破ったのは他でもない雅樹で。


「…深谷が、な?」


開かれた口から発されたのは後輩の名だった。ってか、侑希が何?どうしていきなりその名が出てくるの?
不審に思いながらも、あたしはそのまま雅樹の言葉に耳を傾けた。


「中学入った頃、大崎先輩に言われたことがあるんだと。“頼ることも勇気”だって。…覚えてます?」


あぁ、そういえば。
そんなこと言った気がしないでもない。
確か、授業をサボった屋上で…。

雅樹の問いかけに答えるかわりに、あたしは軽くうなずいた。