君を守りたい


「…――嫌われたわけじゃなくて、本当によかった。」


ぽつり、と零された慈朗の言葉に視線を上げると、安堵の表情であたしにほほえんでくれていて。視線が絡んだ刹那、ぎゅっとあたしを抱きしめる。


「俺、陽路ちゃんの気持ちがちゃんと整理つくまで待ってるよ。たとえ陽路ちゃんが木原を選んだとしても、俺が陽路ちゃんのことを好きなのは変わらない。」


耳元でささやかれた言葉は、二回目の慈朗からの告白。てか、やっぱり慈朗にはかなわない。あたしの気持ちがグチャグチャだってこと、完璧に見透かされていた。


「ん。ありがと…。」

「いいえ。んじゃ、俺そろそろ柊センセーに怒られに行ってきまーす!ついでに崎村センセーも呼んでくるね!」


笑顔であたしに背を向け、部屋を出ていく慈朗の背中に、あたしはもう一度「ありがと。」と呟いた。