「三年前、陽路ちゃんが左手を怪我した日に、屋上で俺が言った言葉だよ。」
“左手の怪我”…、“屋上”…。
記憶の断片がつながり、その日のことが鮮やかに思い出される。
「…忘れる訳、ないじゃん。」
《いつでも俺、陽路ちゃんの
そばにいてあげるから。
ここが、陽路ちゃんの
居場所だから。》
その言葉が、あのときのあたしを支えてくれた。あたしにも“居場所”があるって、その安心感を与えてくれた。
「アレ、今も変わってないよ。ここが陽路ちゃんの居場所。俺がずっと、陽路ちゃんのそばにいてあげる。」
慈朗の思いがけない言葉に、不意に涙が一筋頬を伝った。

