君を守りたい


「いい加減に、」

「慈朗!」


席から立ち上がりかけ、秋田先輩に言い返そうとしたのを遮るように、渡部は俺を止めた。


「でも渡部…」

「今更構うな。」


凛とした態度でそう言い放ち、渡部は秋田先輩を一睨みする。渡部の鋭い視線が秋田先輩を捉え、一瞬、秋田先輩の瞳が揺れた。

その様子を見ながら、渡部も俺と同じような気持ちを抱いていることを確信する。でも変に騒ぎ立てたりしない、そういう行動にでれる渡部はやっぱりスゴいと素直に思う。

俺たちの心の葛藤を感じたのか、秋田先輩はまた笑顔を浮かべた。いかにも面白いものを見た、という感じの表情に、さらに嫌悪感を募らせたことは言うまでもない。