君を守りたい


渡部と肩を並べ、コートまでの道を歩く。渡部の表情をうかがえば、彼らしからぬ表情を浮かべていた。


「各自体操後、コート20周。ストレッチして宿舎に戻るぞ。」

「「はいっ!」」


塚本君のよく通る声が辺りに響く。鬱陶しい朝日の下、いつも通りの体操を済ませ、まとまって走り始める。

朝練については特に何を言われたわけじゃないし、くるはずないだろうとは思っていたけど、やっぱり秋田先輩は来ない。これだけみんながざわついてたら、寝てる訳ないだろうに。

色々考えてたおかげで、あっと言う間にランニングは終わってしまった。だから近くにいた渡部とペアを組み、ストレッチを始める。

――刹那、


「…慈朗お前、陽路先輩が好きか?」


俺の背中を押しながら、渡部が唐突に問いを投げかけてきて。だけど、あまりにも唐突すぎて意図がわからない。でもそんなこと、俺に聞くまでもないでしょ。