「そのこと知らされたとき、急に陽路がちゃんと息できなくなって。今日みたいな感じになったんスよ。」
「心的不安定か。やっかいだね。」
心的不安定…。思わずうつむいた俺の背後で、壁に掛けられた時計が7時を告げた。
「…7時、なっちゃったッスね。朝食までまだ時間あると思うんで、俺、走ってくるッス。サボんなって、陽路に怒られそうだし。」
そう呟き、持っていた白い帽子を深くかぶると、藍前は出入り口に向かっていく。
…でも、確かにそうだ。陽路ちゃんならきっと、“くだらないことでサボんな。”って、俺たちを怒るに違いない。
「ほら、あんたらも走っておいで。大崎ならあたしがみてる、大丈夫さ。だから塚本、頼んだよ?」
「…はい。」

