君を守りたい


「ま、こんなこと一人で抱えちゃダメだろうしさ。陽路先輩、もう少しポジティブに考えてこうぜ?」


あははと笑い、「俺みたいにさ。」と付け足すと、恭汰は勢いよく立ち上がった。


「じゃー、そろそろ部屋に戻りますか。陽路先輩も明日早いんだろ?」

「ん。そうだね。」


恭汰につられてあたしも立ち上がり、並んで階段に向かう。さっきはあんな暗い気持ちで降りてきた階段、不思議と今は、さっきよりも少し気持ちが晴れたような感じがした。

別に何の解決もしてないけれど、ただ話しや悩みを打ち明けて、それを恭汰が正面から受け止めてくれた。それだけでスッキリすることもあるんだと改めて感じた。

二階に着くと、わりとすぐに恭汰たちの部屋の前を通る。そこで恭汰に「色々ありがと。」と言って別れ、自分の部屋に向かった。

でもその刹那、「あぁー…。」というような、恭汰の情けない声が聞こえてきて。必然的に、あたしの歩む足は止まった。