君を守りたい


「お、おい!二人とも、大丈夫か?!」


慌てた感じを帯びた塚本さんの声がコートに響く。まぁ、俺は倒れたときに少し擦っただけだから、全然大丈夫なんだけど……


「あー!大丈夫だった!?」


倒れた体をゆっくりと起こす俺に、飛びかかるような勢いで阿久津先輩が問いかけてきた。金髪っぽい髪が風に揺れ、眉毛はハの字に垂れ下がっていて。

……ちょ、待てよ。

何で阿久津先輩が、そんなに俺を心配そうな顔して見てんだ?俺の不注意で、あんたを巻き込んじまったんだぜ?原因は疑いようもなく、明らかに俺なのに。


「…俺は、大丈夫ッス。阿久津先輩は…?」

「俺もヘーキ!全然大丈夫ー。」


俺を気遣ってなのかどうなのかはわからないけど、無邪気な笑顔が俺を捉えた。
この人を守ろうとした陽路先輩の気持ちが、何だか今なら少しわかる気がした。